原石/
千波 一也
渡ってゆけるちからの根源が
そこに眠っていることを
腕に物を言わせて
突き破るちからではなく
澄み渡ってゆけるちからを
その根源を
光はいつも光のなかに在る
闇は標のひとつであって
闇は光を生みはしない
だから僕はこの手のひらを
探りゆくために
確かめるために
託すために 託されるために
離すために
繋ぐために
つまりは総て
磨きをかけるそのために
この手のひらを
用いよう
光をまっすぐ指差して
戻る
編
削
Point
(13)