みち/AKiHiCo
どうしてそんなに早足で歩いてるの
どうして誰かに追い越されると焦るの
僕の横を俯き加減で通り越してゆく人たち
何も言えず誰かが敷いたレールの上
立ち止まらずに歩いている
疲れたなんて言える訳もなくて
期待に応えなくちゃと
自分の心を殺して進む道は
キミの望む光が先にあるとでも
誰かの言いなり
誰かが通って来た道を
数え切れない人たちが歩いて
足跡だらけのこの場所は
僕が本当に願っていた処なのか
疑問の渦を抱きかかえながら
遅れまいと足を速めている
僕が欲しかった未来の世界
こんなはずじゃなかったと
後悔するその前に少し
立ち止まって
振り返ってみれば
後ろでエールを送る誰かの影
立ち止まる事は許されないようで
後悔するのを承知で進む
欲しいものを願うことさえ僕には
何も与えられず
拍手喝采の足跡だらけで
ぬかるんだ道を歩いてゆく
それでいいのだと言い聞かせ
自分の心にライフルを向けて瞼をそっと
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