消失日和/朽木 裕
 
太陽が傾いであんな所へ落つこちようとしてゐる。
鞄の中にカメラを六機忍ばせて。

愛しき貴方の掌には浮き上がるポラロイド写真。

写真を振つてはゐけないよ。
現実が掻き混ぜるスウプのやうに
遠心力で飛ばされてしまうのだから。

よもやそれが望みではあるまいね?

本日はお日柄も良く。

嗚呼、

これ以上ない程の消失日和。
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