きみがいてよかった/朽木 裕
狂いそうなくらい朝から心臓がドキドキ云ってる。
読みかけの本、栞を挟みなおして読もうとしても頭に何も入ってこない。
あと何時間…目覚めてから何十回めのカウントダウン。
落ち着かない。兎にも角にも落ち着かない。
何してたって落ち着かない。
…というより何も出来ていない。
本なんてもう読んでる場合じゃないよ。
…尤もそれは彼から借りている本だけど。
本棚にそれを納めて大音量の部屋でひとりうろうろ。
音楽聴いてる場合でもない。
…尤もそれは彼がカラオケで歌った歌だけど。
何してる場合でもない。
とすれば私は何をするべ
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