きみがいてよかった/朽木 裕
 
狂いそうなくらい朝から心臓がドキドキ云ってる。
読みかけの本、栞を挟みなおして読もうとしても頭に何も入ってこない。

あと何時間…目覚めてから何十回めのカウントダウン。

落ち着かない。兎にも角にも落ち着かない。
何してたって落ち着かない。


…というより何も出来ていない。



本なんてもう読んでる場合じゃないよ。

…尤もそれは彼から借りている本だけど。

本棚にそれを納めて大音量の部屋でひとりうろうろ。
音楽聴いてる場合でもない。


…尤もそれは彼がカラオケで歌った歌だけど。




何してる場合でもない。

とすれば私は何をするべ
[次のページ]
戻る   Point(2)