彼女は死んだ/たたたろろろろ
 
にぐぐいと押し付け、すぐに新しい煙草に火を点けた。それのエンドレスリピート。
「友達、と。電話ではどんなことを話したんですか?」
「他愛もない話でした。話とは言えないようなものでした」
「具体的には?」
「今何してる?とか、あとは本当に内容のないことでした。私は仕事中だったので、あまり構ってやれなかったのです」
「ずいぶん冷静だねぇ。友達が死んだってのに」
「実感が沸きません」
 そう、実感が沸かない。今の俺には、ずんずんと丁寧さが失われていく園の話し方に対する違和感ばかりがあった。あと、いつ煙草のエンドレスリピートが解除されるのか、と。
「そうか。ええと、あの、西村さんとは頻繁に
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