日常は扇風機の風/海月
 
列に精を出す

排気ガスの匂いやバイクの足音
透明な自動ドアを境に受け付けない
抵抗物や壁は目に見えない存在

発売したばかりの漫画
皆の手に触れて折れていたり、汚れていたり
それでも、私は購入したんだっけ・・
何かを救ってあげた・・・
そんな善者心が頭の中を流れた

実際、目的もなく生きていける
人の出会いもなく生きていける
哀しく夏を迎える準備だけをしている

扇風機は哀しい音を出し冷たい風を運んだ

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