丘公園のすべり台/なかやまそう
 
どこかへ
行けるの
ではないかと
蒸発して

すべての不快感も
すべての罪悪感も
すべて軽くなる
ような気がして

ぼくは
うまれてはじめて
眠りから醒める
快感を
思い浮かべる

誰もいない
公園にゾウの
すべり台がある
日曜日の正午

じとじとした
空気中の水蒸気で
重たい体は

アスファルトに
押しつけられ
すべての愛情も
すべての財産も

表面的なモノ
すべて
儚く消え

すべて泥になる

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