戯れ/
千月 話子
って
そのうち
私の生まれ変わった胃の中のギリシャから
青い 青い 海の香りがするの
彼女は私の髪を泡立てて
「春の匂いね」と
耳元で囁いた
暖かく共鳴する私達の
楽し気な笑い声は
小さな窓から風に乗って
世界の男 世界の女へ
分け隔てなく飛んで行くのだけれど
それを どう受け止めようとも
私達には 関係ないのよ
戯れて重なって
戯れて溶けて行く
愛の世界へ
どうぞ お好きなように
お好きなように
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