徒歩考/アナルジー/高田夙児
 
  それしかない僕らは

  日本社会を担っていくエリートだから 
  将来はいつも輝いてばかりいる
  単騎待ちの月日を
  遠く

  ねじ込んで 脳は
  すさびれていく
  轍

  トースターでパンを焼く
  君 
  普遍的な二人称
  関係のあり方が正確な距離のまま
  君は

  交差した座標軸の上を遠ざかっていく
  歩く
  僕は乾いた道を
  短く
  繰り返す瞬きの内側で
  零れていく水について
  考えていたりする
 
  だけ



  


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