地の花/
木立 悟
道がある
風が風を鳴らしてゆく
にじむ光と羽の間を
見えないものたちの音が過ぎてゆく
さざ波の上に立つ演者
架空の街の生活者
今日で終わる永遠の
ざわめきのなかをめぐりゆく
朝の空から
曇りの空から
誰もいない心の内へ
繰り返し見舞う痛みの冠
すべてを奪うようでいて
なにものをも奪えずに
終わりを知らないはじまりの
よろこびの花のなかに沈む
終わりを越えたはじまりの
天の花 地の花の器に沈む
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