ぽえむ君−月道−/ぽえむ君
 
ぼくは詩人

星は天空に従い
生は天命に従う

今日もまた

夜の散歩をしていると
月に出会いました

この国では古(いにしえ)より
山の端から姿を現し
山の端へと姿を沈む

この地では古(いにしえ)より
草の葉から姿を現し
草の葉へと姿を沈む

過ぎ行く姿は異なるも
見せる顔は常に同じながら
見るものの心を各々に響かせる

夜風が草の葉を揺らし
過ぎし風の後は静寂な時を与え
月はいつもの光をこの地に照らす

草の葉に向かいつつ
山の端に向かいつつ

天空の運命に従いながら
静かにその道を歩む

わが生も
天命に違(たが)うことなく
静かにその道を歩む

光を放ち
光に照らされ
与えられし運命(さだめ)に従う

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい
戻る   Point(3)