「 蹴球時感、一。 」/PULL.
 

五百ページどころか、
五百冊の引き出しと深みがあった!。


悲しいかな、
監督としての、
野心を持つのが遅すぎた。

十番を背負わない、
唯のZは、
遅すぎたのだ。




カイザースラウテルンの、
芝の戦場では。

Hの銃には、
弾が六つ。

Zの銃には、
弾が一つ。

ロシアンルーレットなら、
Zの勝ちだが、
撃ち合いになれば、
どちらが勝つか。


それは確率で解ること。


ニュルンベルクの、
芝の戦場。

Zは、
どれだけのタネとシカケと、
ページと弾を持って、
征くのだろうか。




マジック。
魔術はいらない。
奇術が必要なのだ。












           了。


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