拗ね者は無様に吠える/松本 卓也
目が染みるほど充満した煙の中
何を血迷ったか跪く自分の姿を
鏡に映しこんでぼんやり眺めていた
数限りない自業自得の渦で
息をする資格を無くした雑魚が
水槽から腹を出して浮かんでいる
憂いと悲哀を詠う似非詩人だから
初めから存在しえない才能が
この頃潮が引くように減退し
下手糞が輪をかけて無様に落ちていく
声は誰にも届かない
姿は誰の瞳も捉えない
心は無碍に偽りと断定され
涙は只の汗という事にされた
何が分かる
何を知っている
オブラートで包まなければ
何一つ直視できない程度の
節穴しか備えていない癖に
吐き捨てられた魂の行く末が
路傍に打ち捨てられたガラクタに
無数の見えない傷となって刻まれて
人目につかず風に掻き消え
何事もなく見捨てられているのは
あんた達のせいだ
戻る 編 削 Point(1)