鐘/
奥津 強
私が 本堂で 鐘を 打っていた頃
世界は 青に 被われていた
どこを 行っても 早朝
早朝の 鐘の音である
私が 道の 真中で ふと
(傾く 女の 長細い髪よ)
幽鬼を 見て 俯くに
(傾く 紀元は 西暦では直せない)
私が 狸と 駆けていた時
世界は 灰に まみれていた
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