SPRING/青色銀河団
 
自分の薄皮一枚残して
そっくりそのままの詩である

―何、それ、
 少しの秘密?

光る銅製の浴槽から
海はあふれだし

―ほら、膝っこ少年。
 匂いを、かいでごらん

時間が経つのではない
動かぬものがあるだけだ
頭を抱く男と
夕暮れが匂う部屋との

―傘なんてさして、ばっかじゃない
 だから、春が来ちゃうのよ


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