ネロリのこいふみ/
藤原有絵
放った言葉は
宇宙葬
想われた言葉は
さようなら
糸の切れた凧のように
僕は自由ですね
されど
日々は変わらず続き
空の色さえ失っていません
その普遍性に
安堵し
途方に暮れる
でも
いいのです
ひとつ弔って
ひとつ産声をあげて
桃のようにすくすくと
子供たちが育っていきます
僕のすぐわき
くるくるとはしゃぎながら
愛おしい
知らぬ想い
追わずとも
僕は先で待っている
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