ヨディに捧ぐ/うめバア
君はまだ
あのねっとりとした
亜熱帯の密林を
アロハシャツの袖
ゆらゆらさせながら
歩いているのか?
お父さんには会えなかった
お母さんには無視された
お姉さんには追い返された
誰の物でもない
自分だけ落っこちてる
古い歌を聞きたいわけじゃない
優しい言葉を読みたいわけじゃない
忘れた
マニラでタクシーに乗ったら
全部
空は突き詰めて青いわけじゃない
曖昧な雲が光を遮ったり
突然の豪雨が文脈をそれらしくしたり
最後は別に
耳鳴りか
飛行機の音かどっちでも
滑走路まっすぐに
エンジン全開でプロペラ機
タイヤが地面を振って
ふわりと浮き上がる
もういいさ
どうでもいいさ
全部バイバイさ
この国のもの全部
誰の物でもない
自分だけ拾い上げて
頼りない肩
風より不埒に
抱きしめてほしい
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