ひとりぼっち/蒼依
 

アスファルトを踏みしめる足はリズミカル
裏腹に焦る心
勢いと同時に込み上げてくる 
ずっとずっと目頭が熱い

立ち止まって 叫んで しゃがみこみたい
そんな思いを吐き出さないように
ただただ早足
わからない何かに追い立てられるよう

ドアを閉めて一息ついて
だけどここはあたしの場所じゃない
空っぽの空気に体が凍りつく
鍵をかけるのをためらう

何か 何か 何か
ほしいものが見えなくて
言葉じゃいえない
この眼じゃ見えない
振り返ってもヒントもない

誰か 誰か 誰か
誰かにすがりたくて
うまく泣けない
声にならない
いつもそのまま動けない

小さくなって うずくまって
ゲージの中でおびえながら眠る
空へと誘(いざな)う その手を待って


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