夜顔/チェザーレ
 

月隠れの夜
街灯の影に咲き

暗い空の裂け目に
眩しそうな眉間の皺
寄せては返す
夜の嘘 その甘さ

秋の夜風の
気まぐれさに濡らされて
潤んだ瞳のその甘さ

じりじりと迫る
下品な喧騒
俯く先 
遠ざかる影
裏腹に伸びていく

裏腹に そう裏腹に
飛ばされて……

君はどこへ行ってしまったのだろう?

ちょっとしたことで
甘さは溶けて
嘘はばれて
その匂いは顔を潰し……

そう 
やって来たのだ 
とっかえひっかえの新しい今日が

見たくない
もう何も

眼を閉じて
顔を覆って
うつ伏せで眠るんだ
深く 深く


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