寝息/
万里
畳に敷かれたうすっぺらい布団
聞こえるのはあなたの寝息だけ
あんなに言い争ったのに、あなたはいつの間にか夢のなか
あたしはまだこんなにも悲しいのに
くやしくなってあなたの背中に文句をいうけど
やっぱり何も返ってこない
ずるいよ
あたしはこんなきもちで眠れるわけないのに
でもきっと、目が覚めるころには
あたしはいつものように
あなたのうでのなか
あたしはやっぱりあなたに太刀打ちなんて
できないんだね
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