夜、殻を抜けて/
チェザーレ
地の底から
這い出た時
そこには
鋭い三日月があった
羽を切らないように
そっと飛んだ
深い深い夜の底
湿ったアスファルト
どこか涼しげな蒸気
空には
鋭い三日月があった
私の飛ぶところに
鋭い三日月があった
あとどれくらい
私は飛んでいられるのだろう?
残された時間を想い
声ひとつ立てず
夜を飛んだ
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