ヴィーナスの誕生 ☆ /atsuchan69
 
 極彩色の羽の天使たちが舞い降りてくる
 それは おまえたちを容赦なく啄むために、
 嘲笑うために 裁くために

すでに毒水を買った ラベルに いのち と記されている
 隆起した地面が剥げ落ち 奈落がのぞくと
 吐息にまみれた まっしろな憎しみは もはやなく
 忘れられた祈りが 風にさらわれて 遠く儚く 消えていった

傷のいたみも失せ、わだかまりもなく
 平和とおびえ 労わるような日々の暮らしが、乾いた瀝青の上に 
 まだ 残されていた。
 無限に落ちてゆくものたちは いつも きまって飢えている

 その影に キシキシ 歯噛みする夢、
 イメージ 真にせまったイメー
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