舞 姫/
椎名乃逢
人差し指のフラフープ
鍵と小さなキーホルダー
くるくる踊るマスコット
鈴つき猫のプリマドンナ
陽射しにきらきら反射しながら
彼の指に操られて
自由に回っているようで
その手に閉じ込められているようで
華麗なスピンを舞いながら
不意にどこかへ飛ばされそうな
不安を隠して心許ない
わずかな接点に身をまかす
迷って俯く私の視界の
端でくるくると誘うのよ
私は暗示にかかったように
こくんとひとつ首をすくめる
動きを止めて鍵穴へ
あなたの番よと鈴が笑った
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