著 辻 仁成 「ニュートンの林檎 上」より/海月
ている詩は、全てもっともな事しか書けない、それは誰かの話しを糧にしているだけである。つまりこの一節が言うように、僕は批評家の言葉を真似しているだけになる。だが、僕は違う。
僕が書いているのは全て過去の出来事でしかない。僕は今に昨日を写しているだけでしかない。
そんな僕の書いていることは詩ではないと思われても仕方ないが、未来のことを書けばそれは予言書でしかない。
本当に詩人が書くべきことは、「今」を表す言葉だと思われる。
やっぱり、詩人に必要なのは、「独自の言葉を以って、詩を書くことである。」
僕はそう感じます。
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