Tea For One (ひとりでお茶を)/
石畑由紀子
まして価格だけでもなく、目には見えないレベルの行き届いたサービス、その雰囲気、その店が持つ空気そのものなのだ。
私の声は自然とより低く穏やかになっていた。
「タルトもシフォンも美味しかったです、素敵なひとときをありがとう」
カフェを後にし、丸井今井を出ると外は雪模様であった。舞う程度、そんなに気にはならない。私は傘をささずに歩き出した。風も吹いていたが、私は芯から温かかったのだ。
(2003.01.28)
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