ノート(笑み)/木立 悟
 

ひらたく長いパンの両端を
いとおしげに抱えている子
何度も 何かに捧げるように 
持つ手を変えては見つめる子



パンはやがて消えてしまうけれど
君のからだの一部になるのだから
やさしくやさしく抱いていなさい
家に着くまでずっとじっと大事に



そのしあわせな笑みのまま
そのしあわせな笑みのまま




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