逃したくないそれだけだ/春日響
 
手を繋ぐよりこの手でその頬を殴る方がはるかに多い
嫌いになれるものならもうなっているさ
僕のジレッタサを君は理解してくれているのか
君を愛しても
風に乗って僕を離れて飛んでゆく
フェンスを抜けて くすりと笑って
嫌いだ僕が

マンゴープリンを食べた
君が冷蔵庫に入れて帰ったやつだ
僕はマンゴーをいつまでも好きになれない
流行に乗れるわけもなかった
君をここに残しておきたいのだ本当は
帰らないでくれ

僕のせいかもしれない
君がすぐに帰っていってしまうのは
僕の惨めさを笑ってくれ
世界中の民
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