夕焼けに染まる、橙が眠る、/夕凪ここあ
 
橙に染まる部屋に横たわる、私
声を出したところで
誰一人として居ない部屋
ひとりきり、
夕焼け、曖昧な時間に取り残されたくなくて
黙ってじっとしてる
あなたの帰りを待つ、私
もう橙は眠ってしまいそう(夜に支配されて)


私もこの色に染まっているのかしら

と考えてみる、度に
切なさよりも空虚が似合う感情を
息を潜めて飲み込むことを 覚えました。
きっともうあなたは私が何であるかわからないことでしょうね
だってあなた、
私は夕焼けをかじり過ぎてしまったのですから。
これがもしもお月さまだったなら
三日月というような具合に私に名前をくれたでしょうに。

藍色に染まりかけた部屋で
私は静かに横たわり
きっと眠ってしまった私の隣にあなたが寄り添うときにはもう
橙と同じくらい曖昧なものになってしまっているから、
私。
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