*平日の亡命*/
かおる
5月の天空の傘は雨漏りばかり
途中下車してコインロッカーで
制服を脱ぐのも板についた頃
初夏の爽やかさを置き去りにして
入梅前の隙間を夏空が我が物顔で占拠中
教室の片隅で先生が唱える眠くなる呪文を
聞いているよりは緑を揺らす風に
攫われてしまいたい
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