『僕は蝉時雨に幻聴を聴く。』/クローバー
 
よう」

ただ、僕は、まだ、僕は・・・僕は・・・・・

それでも 僕は 友達でなければいけなくなった君に
僕はバカで勘違いしてしまうから そんなこと言っちゃダメだよ
と言って 

ほんとに辛かったら 親にでも言って 帰ってきたっていいんだから 
誰も君を責めたりなんかしないよ
と言って

電話を切らせた。
(そして その度に僕が、後悔してしまうのを、君は知らないでしょう)
蝉時雨が再び世界に広がってゆく

「淋しいよう」

その日から 僕は蝉時雨に幻聴を聴く。



                      ※2003年8月作

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