ぽえむ君−草刈−/ぽえむ君
ぼくは詩を書きたい
何が正しのかを決めることが
正しいとは限らない
今日もまた
朝の散歩をしていると
草刈に出会いました
静かな朝に
機械の音がうなり声を上げる
それは音だけではなく
次から次へと
道に沿った草花が倒されていく
鳥たちは飛び立ち
羽のある虫たちも逃げ出す
花びらは崩れ
細長い葉も飛び散る
草の中に隠れている生きものは
行き場を失いうろたえる
茎は転がされ
根も掘り出され元来の場所を失う
人間の価値が世界を支配する
草刈は続く
刈られた場所に風が吹き抜け
見上げれば
白い雲が青空を流れる
明日もまた
語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい
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