突発即興詩会ログ/片野晃司
も左右も日本塀ばかり
間違えてこゝまでやって来た僕は
いつだって目玉に睨まれてはすごすご引き返します
一度で道を憶えればいゝのに
いつも目玉に睨まれてはすごすご引き返します
看板の目玉が片目で見続けたこの日本塀の路地に
やるせなく雨が降り続けると
まるで看板が泣いているようでやるせなくなるのです
二つに岐れた細い路地のもう片方に
もう一つの目玉の看板があるそうですが
近くに目医者など どこにもないのです
()翔太郎 [2:26:21]「油断した金曜日」(お題:焼石二水)
読みすぎた木曜の夜
連なった時間の欠片
反射する過去と朝が
零れ落ちて戻せずに
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