突発即興詩会ログ/片野晃司
受け取る
わたしの首はちょっと曲がって
上を向くんだ
やさしく産むために
ポケットの中の蛇口を探りながら
第三の手を意識する
冷たいな
ここがどこか分かってる?
指が絡み合う
はりつめた蛇口
はりつめた用水路
はりつめた、歩道の設けられた
車で護送された
病院には行かなかった
水をください
ください水を
かみさま
かみさまのなまえをわたしは
(水が出てくる)
知っているのか
大抵上の方はいつも
薄汚れた天井
の焦点の合わないタイル?
いや、わたし
いつかぶっ倒れて
もうトイレの床にはいつくばり
何食わぬ顔で
隣の夫人が近付いてくるのを
黙って
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