尾崎君への手紙/ジム・プリマス
いろんなことがあったね
君が二度と目覚めなくなるまでに
最初に聴いたのは「十七歳の地図」だった
レコードに針を落としたとき
魂の叫びが僕を打ちのめした
鳥肌が立って背筋がゾクゾクした
その後で僕より一つ年上の先輩が
凄いやつが出てきたと興奮しながら言った
誰のことを言っているのかはすぐに分かった
「卒業」を聴いた時僕は高校の頃のことを思い出した
僕は意気地なしで喧嘩も弱かったけど
それでもいろんな鎖に縛られていることを
僕も君の歳と同じだった頃に感じていたことを
僕は思い出した
でも、その時には僕は君の言う世間と言う檻に
半分以上、はまっ
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