ケイト/リヅ
 

君は甘いお酒が好きで甘いタバコが好きでやっぱり僕のキスが一番好きで

意味のない行為 一人きりの部屋で膝抱えて座る

君の小指の爪を噛む癖 続いて噛み切ってから少し顔をしかめる癖

ロングスカート 素足にスニーカー

君はいつもいい加減な化粧で

夏の木立 金色の光 まだらな深緑の影

君は誰もいない夜の公園が好きで

悪い人達が悪いって言葉以外で形容されないこの時代

君はベッドの中で何度も名前を呼んだらうるさいって一喝した

川沿いを走る終電から溢れる光は綺麗

君はよく散歩という名前をつけてあてどなく彷徨う

我々は自由の刑に処されている らしい

君は夜中に誰か! って小声で叫んでたまに泣く

信仰しか我々を救わないって神の子は言う

君はずっと幸せだったらいいのになぁって薄い眉を少し下げて笑った


ねぇ、ケイト
幸せな記憶のかけら
忘れられない君の名前みたいに少しでも僕の手元に残ればいいのに
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