線/蛙の子
私と 貴方の 間にある
この 長く長く 果てしなく長い線は
私が書いた。
絶対不可侵条約
お互いの事には 口を出さない 関らない
それも 私が決めた。
恋人が出来たら
速やかに 去る。
友達にもならない。
もちろん 私が提案した。
お互い
「必ず守る。」
ことを誓った。
それが
私と貴方の
セックスフレンドの条件。
なのに
私は――――――
隣で 寝息を立てる貴方を 愛しく想ってるって言ったら
貴方は怒るかしら。
想いが 線を越えようとしてる。
いけない。
自分で決めたことは守らなきゃ。
重い女だなんて 貴方に思われる訳にはいかない。
気付かれては いけない。
この気持ちに。
私は今日も演じるの。
ただ 欲望を満たしたい女を演じるの。
貴方の体を繋ぎとめる為なら
どんなことだってするわ。
抱かれている間中
この虚しい想いに
苛まれる事になっても。
戻る 編 削 Point(4)