とりすてす・あらんと/モーヌ。
にわか雨は 去り 桜草の 露の うすももいろに
ぼくは きょうを 生い 立って ゆく
( 撒き 散らされたんだ )
それは ブリリアントに かがやいて
偶成の 初夏... 色彩と 野と を 過ぎて ゆく
野いちごの アスファルトを 砕いた 花を ささやき
相棒の 残された ポルトレの かるい 音を 切って
カンバスに 一筆の 風人(かぜびと) が 走って
木魂たちの いろ きみどりと 青灰と を 駆けて ゆく
太陽への 野心
一輪の 完全な ばら
ぼくらは 太陽だけじゃ 足りなかった
みんな
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