とりすてす・あらんと/モーヌ。
 



にわか雨は 去り 桜草の 露の うすももいろに

ぼくは きょうを 生い 立って ゆく

( 撒き 散らされたんだ )

それは ブリリアントに かがやいて

偶成の 初夏... 色彩と 野と を 過ぎて ゆく

野いちごの アスファルトを 砕いた 花を ささやき

相棒の 残された ポルトレの かるい 音を 切って

カンバスに 一筆の 風人(かぜびと) が 走って

木魂たちの いろ きみどりと 青灰と を 駆けて ゆく





太陽への 野心

一輪の 完全な ばら

ぼくらは 太陽だけじゃ 足りなかった

みんな 
[次のページ]
戻る   Point(9)