スクランブル交差点/こめ
 
真夜中にはかなく舞い飛ぶ

黒アゲハは暗闇にとけ込んでいなくなった

夢の見過ぎで狂った世界の

中で僕はまた孤独のままで

君が泣いた涙がはじけて

世界に響き渡った

一つだけの僕の心片隅に

まだもろい音を立てながら

オルゴールが鳴っている

悲しみのドアを開ける為の

鍵は君が持っているはずだろ

まぶたのうら側に張り付いてはがれない

本当の僕のすがた

この胸に光カケラは一つだけ

大音量で流れるノイズが

脳髄をふるえさせる

駅のホームの中で

僕はひとりぼっちだったよ

消毒液で僕の全ての

毒素を抜き
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