Another Ending(プロローグ)/和歌こゆみ
 
とまらない泪を,真似たかのように降りしきる雨。


今時,三流ドラマですら使わないであろう言い回しを選ぶ,自らに苦笑した。
だけどほんとう。
笑いがこぼれてしまうくらい,それはあたしの頬を伝い落ちることをやめない。
それだけが運命(さだめ)であり,この時を待ち望んでいたかのように。

誰だって経験することだよ。
じきにまた笑える時がくるから。

そんなセリフを,いまここで,
あたしの目の前で口にする奴がいたなら,
瞬時に殴り殺してやりたい。
そのくらいの自信ならある。
そいつの内蔵をひねりだして,そこらじゅうに散らかして
血まみれになった部屋で高らかにわらうだろう。


ああ。
誰もあたしに,かまわないでほしいのに。
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