一人遊び/暗闇れもん
 
本屋で官能小説を難しい顔をして読んでみる
ん、違うとか時々こぼしながら
直接的な表現よりも
唇をなぞるとか
汗ばむとか
息遣いがとか
そんなフレーズに少し気をとられながら

寂しい一人遊び中に
後ろを通りかかった見知らぬ人が
うんこ、うんこ、うんこと一定の間隔で呟くので
どうにもこうにも
なんとも言えない敗北感がわたしを包むのです

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