詩人の日曜日/モーヌ。
 
地 だから おすしを たべた こと

朝ごはんの お昼なのに ビールを おいしそうに

ぐびぐびと なんでもない ふうに 飲んでいた こと

そうして ひとりで 勘定を 払って くれて

握手を して 瓢然と 街角に 消えて いった こと





...ぼんやり もらった 本の ページを 繰り ながら

ぼろぼろだった 空に 純水で できた 廃都に

ひかりに ぶれず 影に おののかない

おおきな 背中が いて 笑っているのを 感じた

こしかけて 手にした 綿毛の たんぽぽを

ふと ふく と... まいあがった 綿毛たち に

きみ やら いちまつの かなしみの かおりを 残した

N さん やら ぼく やら が 乗って いて

ふわ ふわ くる くる

おりたり のぼったり 翳ったり 晴れたり...

すると それは 三枚の 新葉 あるいは もっと たくさんに

ずっと 忘れられた 日曜日や 病窓に つどって ゆれた












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