一人だけでも私を好いてくれれば/春日響
見知らぬ一人にも嫌われないように精進しようと身を粉にする私は馬鹿だ!
何を世界に望んでいるのか
社会に望んでいるのか
私自身わからないから腹が立つ
今日もカーテンを引っ張って取ってしまった
おんぼろパソコンがいじけてしまった
嘗て
人に好かれたいから勉強をした
好かれてるというよりも
最終的に便利な道具のように扱われていた
四年経って
私の人格が悪かったのだと気付いた
それから
人格を直そうと思って社交的に活動した
他人に影響されれば変われると思ったからだ
終わりはなくて
うんざりした
自分というものをかなぐり捨てている気がした
誰かのために生きる
つまらない
仕事にも行かず人にも会わず
とぼとぼ外灯の光が精々届くところを歩いた
汚らしい とみんな私を避けた
総て疲弊して一週間ぶりに家へ帰った
温かかった
クリームシチュー
引きつった笑顔でこれでいいと思えた
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