鉄筋コンクリートの解体風景の前に/バンブーブンバ
地響きひとつ。またひとつ。灰色の仮囲いの隙間から、黄色のユンボー。
引き裂かれたアパート。ざくざく歯先を確かめるように、太陽を何度も掠めて振り下ろされる。
断面図は美しいと思った。断面図の発見と人間の知恵とは何かつながっているもののように思われてくる。
床スラブから壁から柱からヒラヒラしている鉄筋の、その先のほうにぶら下がるコンクリートの重みは、
地響きと調子をとって、あちらこちらでヒラヒラ、ヒラヒラさせている。
解体風景は、結婚と離婚を粉塵のように溜めているみたいだった。そう、結婚と離婚。
鉄筋コンクリート。
少し紐解いてみた。
関東大震災を皮切りにして、煉瓦造にとってかわって、
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