水と日/
木立 悟
草の内の金の廃坑
砂に降る雨に
慄(ふる)えに
夢みられている原
路のまわりを行き交う
光の灰
今日の最後の雨粒
濡れた手のひらと
空との間にある瞳
雲の黒を
しずくのゆくえを映してまたたく
廃園に来る鳥の声
機械を拾う機械の音
波打ち際で
ひらかれた手のひらには
海が
忘れられた歌が
海と同じ大きさの歌が
渇(かわき)に降る雨のように咲き爆ぜる
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