星よ、ほしよ/たりぽん(大理 奔)
岬の先の夕暮れ
小さな星を示して
十光年離れているから
あれは十年前の光だ
と、言う君は
教科書のようだ
でも今見えている星は
そのまま今
の、一番星(シリウス)
足摺岬でのきのうから
もうずいぶん会っていない
君は
毎秒299,792,458mで
あのころのまま
の、一番星(シリウス)
あなたに
僕の精一杯の心が
毎秒299,792,458mで
あのころのまま
そのまま今
の、僕のまま
届くのならば
小さな光でも
かまわない
それでも君は
あれはずいぶん前の光だ
と、教科書のように
言うのだろうか
2005-08-10 未詩・独白 投稿「旧暦七夕の夕暮れに」 改訂
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