小さな日/木立 悟
 



暗がりのなかの光の道
滴の道
空の強弱のはじまり
花の墓に降る朝の雨
遠い遠い雷のような
音の無いむらさき
弔いの日を染める



色とりどりの衣を着て
荒れた地に横たわり
死にかけた子は
たち昇る煙に触れ
垣間見る空に触れ
どこからか来た手に触れる
蒼い音も
白い音も
枯れ原をめぐるのを止め
冷えた髪を抱きにやってくる



新たな午後のむらさき
しずかに雲に咲きひらく










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