刑罰よりも長く/虹村 凌
 


私は誰にも愛されないんだわ

そう言って少し俯いて煙草の煙をふいた
煙だけなら僕等は交わる事が出来るのに


**
私は家に帰りたくないの

そう言って目を伏せて珈琲カツプを置いた
「家に行かせて」なんて言わないのに


***
私が死んだって誰も泣いちゃくれないわ

嘘か本当は君はこう言って微笑んだ
知らないだろうけれど
刑罰より長い間佇んでいようと思うんだ

知らないだろうけど
知ってたら恥ずかしくて
戻る   Point(1)