ラウンド・ロビン/大村 浩一
 
線路が延びる
その天末線を忘れられず
ひたすら反復する朝が脳髄にあって
思わず傷がひらく
そこから盛り上がる
肉 になる


(物言わぬ者の内側
 抉りに抉れ
 底が抜ければ出られる
 5月の色彩(いろどり)に)


見えるものに
耳をすます
瞳と言葉と
もっと高くへ
そこからなら
君が居た大陸が見えるだろ
生きるもの滅びるものひかり
舞い降りて
優しく眠ることも
気の済むまで
続けな、子、鳩、声、声、
力尽きて
突き落とされるまで



さえぎる
さまよう
さすらう
逆らう
晒す
探す

ささげる

さえずる


2004/02/14 白山『コトバコ』にて朗読
2004/02/16 一部改稿
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