白と灰 ?/木立 悟
 



もの言わぬそよぎ
つぶやきの時間
開花と脱皮の
見えないやわらかさの
短く密かなそよぎ



離れゆく風を星は追う
飛び立つ冷たさ
翅の重さにひらかれる本
はらはらと 
終わりにたどりつくことなく
くりかえす



消えかけた道の端に立ち
先にひろがる何もない景に向かって
花が降りつづけるのを見つめている
欲と恐れは青く光り
深く落ちる花にさえとどき
無への歩幅を照らしている










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